2/6ページ目 建物の前まで来ると、扉がないことに気付いた。 「何かの遺跡か何かか?」 黒鋼さんが言う。 「一度一回りしてみよう。俺はモコナと右から回るから、黒鋼さんたちは左から回ってみよう。もしかしたら、何かあるかもしれない」 そう言って、俺とモコナは右から、黒鋼さんとファイさんは左から一回りした。しかし、扉のようなものはなかった。 「不思議だ。入り口どころか何も模様一つないなんて」 一回りしても、壁には入り口のような穴、文字や模様、絵、くぼみ等が一つもなかった。 「もしかしたらなんだけど…」 ファイさんが指で建物の天辺の尖った部分を指差して言った。 「天辺に何かあるんじゃないかな」 「確かに。見ていない所はそこだけだしな。見てみよう」 「でもどうやって?」 モコナが言った。 「そりゃあ、登るしかねーだろ」 そう言うと、黒鋼さんは建物をよじ登りはじめた。そして、あっという間に天辺にたどり着いた。 「黒鋼さん、どうだ?何かあったか?」 尋ねると、黒鋼さんは少し驚きながら言った。 「…なんかスイッチがあるぞ…」 「「スイッチ?」」 俺とファイさんの声が重なった。 「黒鋼、押しちゃえ〜!」 そして、モコナが面白げに言った。 「お…押すぞ。いいんだな?」 少し躊躇いながら黒鋼さんは問う。 「いいよ〜」 ファイさんがそう言うと、黒鋼さんはゆっくりとスイッチを押した。 <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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