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ドラキュラの盾
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その後、しばらく優姫は静かにその本を読んだ。

珍しく静かにしている優姫を見ていると少し笑えた。

クスッと笑っても気づいていない所がまた笑える。


それから、俺は優姫が本を読んでいる間は机に伏せて寝ることにした。



―――…目を覚ますと、優姫の寝顔が目の前にあった。


「!」

驚いて俺はバッと起き上がった。
すると、優姫の体がビクッと動いた。


「ごめん。起こしたか」

「…いま何時?」

目をこすりながら優姫は目を覚ました。

俺は時計を見た。
時刻は‥‥‥

「六時だ」

俺が寝てから三時間が経っていた。

そういえば、見回り六時からだったっけ。

「行けない!見回りがあるのに!!」

席を離れて、優姫は急いで本棚に本を戻した。


「行こう、零!」


俺は黙って席を立ち、優姫と一緒に図書館を後にした。



夜間部の見回りの最中、優姫が急につぶやいた。

「ある国にシャリオという女の人がいたの。
ある日、シャリオとその家族を乗せた馬車が雪道を走っている最中、馬車の車輪が滑って崖を転倒した。
助かったのは馬とシャリオだけ。」

「?」

俺は黙って、優姫の話を聞いた。

「シャリオはその後、意識を失ったの。
シャリオが目を覚ました時、そこは大きな屋敷だった。
シャリオは部屋を出て、屋敷を見渡したの。
屋敷には人の顔が描かれた壁紙がたくさん貼ってあって、洋館のような家具が配置されていたの。」

「さっきの本の話か?」

優姫が話を止めた時に俺は聞いた。

「うん…」

返ってきたのは、元気のなさげな返事だった。

俺は心の中で、そうか、と納得して言った。

「…続けて」


「すると、エドガーと名乗る少年がシャリオの目の前に現れた。
その時、二人は同時に一目惚れをしたの。
その夜、エドガーはシャリオを妻に迎えようと血を吸おうとするんだけど…彼女は十字架のネックレスを身につけていた。
次の日、エドガーを見つけたシャリオは彼の後をついて行ったの。
エドガーはある部屋に入っていった。
シャリオもその部屋に入ると、そこには棺に入って眠っている吸血鬼の姿があった」
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