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hand/倖田來未
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その日からしばらく経ったある夜。




僕は真っ白な世界に一人立っていた。

あれは、僕は死神になった日の夜だった。


「乱菊の大切なもんを取り返すためや・・・」


絶対に乱菊には言えんかった。


こんなん、反対するに決まっとる。

死神になる事。



「これで良かったんや」

何度も何度も自分に言い聞かせた。


――─あの子のためなら、僕はなんでもやる


強く決意するために。

中途半端な気持ちにならんように。


―――─だけどほんまは・・・
引き止めて欲しかったんかも知れんな


しばらくそこに突っ立っておると、乱菊が僕を見つけ、僕に駆け寄ってきた。



「・・・・」

僕は何も言えんかった。ただ今にも泣きそうな乱菊の表情が痛かった。

――─乱菊は泣かんでええ


僕はそっと彼女の頬を撫でた。

「ギン?」

首を傾げ、不思議そうな顔で僕を見つめる君。

グッと心を締め付けられる。




―――─乱菊、ごめんな。さいなら


これ以上はいられんと思た僕は自分の心の中におる君に別れを告げた。

――─僕がつらくなるかて、君には言えんのよ



その後、僕は彼女の目の前から消え、尸魂界に向かう。


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