作品集【小説】

一歩前進?
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今日も恒例、小競り合いが始まる。


「ソル!待ちなさいっ!!逃げ切れると思うな!!…って、待て!?」

青い剣士がつっかかってくる。
それを面倒くさそうに横目で流すとまた、追いかけてくる。

「…」

…先日のあの青年は何処へいったのやら。
自分を好きだと、顔を紅くして泣いた、あの子供は…。

これじゃあ何時もと変わらない。

変わりたい?…
彼が望むなら?…

後ろに自分を追う声を聞きながらそんな事を考えていると。


「カイ様!!カイ様ー」

青年を呼ぶ声。

「ん?ぁ…は、はいっ!!」

…仕事そっちのけで俺を追ってきたのか…

「…早く行ってこい…」
立ち止まり、チラリと顔を向けてやると。

「!?っ#$%&−−はい…」

肩を落とし、残念そうにコートを風に翻し部下の元へと走って行った。


五月蝿いのがいなくなったとまた歩き出すが…

「…」

騒がしかった街の音も耳には遠く、
自分を追いかけた子供の声も…

「…」

聞こえない。

何だか少し物足りない気がする。

…これを何と呼ぶか…

「…んんー…」

ガリガリと頭を掻いて、処理に面倒な感情を心の隅に追いやった。
今日の予定は…とりあえず。

「面倒くせぇ…」

後回し。

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