『今日は何処へ行こう…』 朝五時二三分の男の呟き。 白い壁に白い床、白いベッドに白い屋根、白い雨に白い空。 白い人は彼の事など眼中にない。 空には虹と1羽の鴉。街の喧騒はまだ始まったばかり。 男が叫んでいる。 一番上、一つしかない窓からきっと叫んでいる。 両腕を鉄の隙間から伸ばして叫んでいる。見てみぬふりは当たり前。 彼の手に空は雨粒を当てる事なく光を放つ。 彼が叫び雨が止み、虹を作り出したのか、 雨が降り虹を作り、彼の憎悪が叫ぶ事をさせたのか… 空は答えてくれない、こんなに近い存在なのに…。 彼は答えてくれない、心が在り声が有るのに…。 彼はこっちを見て、にっこり笑う。 在る筈のない部屋の窓。彼は明日も居るのだろうか……。 午前六時の私の日課。虹と同じ高さで暮らす黒い私。明日は虹の代わりに消されないように彼を見よう。 [先頭ページを開く] [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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